- ―70年余りの歴史を積み重ねてきた最大の理由は何だとお考えですか?
- 「お客様に満足と感動をお届けする」という理念を掲げて、共栄商事はここまで歩んできました。何ごとにも真面目に取り組む人財の集まりだからこそ、様々な困難を乗り越えながらお取引先との信頼関係を培い、お客様に満足と感動をお届けすることができたのだと思います。
- 特に中国はこの間、国家体制や社会経済が大きく変化し、日中関係は幾度となく厳しい時代を経験しました。そのような中、国交のない時代から現在まで、中国のお取引先と揺るぎない関係を築き"友人であり続けましょう"という言葉を頂いているのは、当社の大きな財産だと考えています。
- ―海外事業とロジスティクス事業の強みについて教えてください
- お客様に誠実に向き合い、上流から下流まで業務の全てを一人が担当する、いわゆる一気通貫型の価値を提供していることです。一般的には営業と購買のそれぞれに担当者がつきますが、当社の海外事業は営業から調達、販売、船の交渉など全てを一人で行います。またロジスティクス事業も、価格交渉から荷役を現場で動かすところまで一人の担当が責任をもちます。
- 担当者を頻繁に替えないので、このワンストップの対応は、長いお付き合いを通じて評価して頂いていると感じています。
- ―これらの共栄商事のコアは今後も変えてはいけないのか、それとも変えるべきなのか、どうお考えですか?
- 誠実な仕事を通して時間をかけて信頼を積み上げていく、これは私達の揺るぎない原点です。お客様にお届けする感動とは、日頃の細やかな心がけから生まれます。"そこまでやってくれるんですね" "おっ!やるね"といった言葉が頂けるような、お客様の期待を少しでも上回る心配りが深い信頼につながっていくのだと思います。
- 一方、一気通貫でお客様に向き合う、いわば個人商店的な仕事の仕方は、強みであると同時に弱みにもなります。100年企業の礎を築くためには、個人商店に磨きをかけるとともに、個人商店同士がさらに連携して、魅力のある商店街をつくる必要があると考えています。
- 事業戦略で最も力を入れているのは、「しみ出し」を加速することです。「しみ出し」とは、既存の商材やお客様をベースとして、それに近い商材や同業種のお客様に展開を広げていくことです。例えば、商材をよく知る人とお客様をよく知る人がタッグを組み、新たな商材を提供する、これにより連携が深まり新たな視点を獲得しながら成長していけると信じています。