これからの製造業のマーケットを左右する、化学産業の発展
製造業のマーケットが大きく変わる中、化学産業の発展は欠かせません。日本の化学産業が世界に誇る分野の一つとして、フッ酸およびその誘導体がありますが、共栄商事は日本の化学品メーカーに、その主原料の蛍石を中国から輸入販売し、日本のフッ酸メーカーが作るフッ素系製品を中国の工業向けに輸出販売しています。日本の化学産業が手がける高付加価値部材は、その高い品質から、国内セットメーカーのみならず他国の産業においてもサプライチェーンの重要なピースとなるため、今後も多くのニーズが見込まれるでしょう。一方、中国は「中国製造2025」を推進する中で、輸入に依存する高付加価値部材の内製化を進めており、自国製品の品質・技術力の向上が見込まれます。しかし、すべてが内製化され置き換わることはないでしょう。それは、急速な技術競争に凌ぎを削る中国国内においても、日本の化学品メーカーのイノベーションや技術に対する評価は高く、これからも中国で重要な存在感を発揮し続けていくことが見込まれるからです。
また、共栄商事は中国で製品化されたフッ化物の日本への輸入販売も行っていますが、これは光学ガラスなどの原料として使用されています。光学ガラスはスマートフォンやタブレットなどで多く使用されており、次世代通信5Gによる製品の買い替え需要が期待される分野です。これは、中国のフッ化物メーカーの技術力と品質の向上によって生まれた新ビジネスと言えるでしょう。化学産業におけるこうした変化は、フッ素系分野だけに限らず、さまざまな分野で起きており、製造業全体のマーケットの様相が大きく変わってきているのです。